甲賀組第一部法然上人二十五霊場

善勝寺の歴史と「今」を知る。
善勝寺レポート

今回、訪れたのは、甲賀市水口町山にある「善勝寺」です。善勝寺の歴史や、地域の小学生が毎年お盆に行なう恒例行事について、お話をお伺いしました。


善勝寺の歴史、山号・寺号について




文明年間(1469年〜1487年)、このあたりにある小さな山、どちらかといえば丘といった方が良いような場所にちいさな山城が建てられたそうです。見張り小屋のようなものですね。そしてその後、進誉上人によって善勝寺が開かれたそうです。

善勝寺の山号「城乃山」も、お城の近くに建てられたことから名付けられたと考えられます。昔は、このあたりには小さな祠、お寺がもっと多く存在していたようですが、現在では善勝寺のみとなっています。

寺号「善勝寺」の由来については、はっきりとしたことはわかっていません。村の人の話では、お寺の建立に「善勝さん」という方が携わったからといった説もありますが、確証はありません。また「善正寺」と「正」の漢字を使っていた時代もあるようです。そのため、人名以外の部分から、寺号を決めたのではないかなと思っています。

善勝寺の本堂が再建されたのは、文政7年(1824年)のことです。欄間の龍も、当時から残っているものだと思われます。





地域の小学生が、お茶を出すお手伝いを





他のお寺にはあまりない、善勝寺ならではの特徴は、お盆のお墓まいりに関することです。この地域では、昔から小学生のお子さんにお手伝いに来ていただいています。お参りに来てくださった方にお茶を出すお手伝いをお願いしています。

お寺のものは檀家さんのものですから。今後もお子さんも含めて、いろいろなことをやって行きたいですね。お子さん本人がどのように感じているかはわかりませんが、楽しみだと感じてくれているようです。こちらも、お子さんとコミュニケーションがとれますし、また、お子さんたちにお寺に親しみを持ってもらえるというのもありがたいことです。

昔は地域にたくさんの子どもがいましたから、性別や学年で限定した時期もあったようです。「茶坊主」と呼んだりして。今は、女の子の方が多いですし、小学生全員に来ていただいています。




境内にある、可愛らしいお地蔵さま





境内には、可愛らしいサイズのお地蔵さまをお祀りしています。檀家さんが所有されていたお地蔵さまを「お寺で預かってほしい」と持ってこられたそうです。今も、檀家さんがお世話をしてくださっています。また、お地蔵さまの祠は2009年ごろに、新しく修理されたものです。

No.13番
本霊場清水寺
寺院名善勝寺
所在地水口町山1520番地
連絡先電話番号0748-62-4308
FAX