今回、訪れたのは、甲賀市水口町北脇にある「浄福寺」です。浄土宗への転宗のお話や山号の由来、住職が共同代表を務める「フードバンクびわ湖」についてお伺いしました。
浄福寺の開山上人である、応誉明感上人
言い伝えによりますと、浄福寺はもともと天台宗の「長生寺」というお寺でした。織田信長公が安土に浄厳院のお寺を建てたときに、このあたりのお寺を全部浄土宗に転宗させたと伝わっています。
浄厳院で行なわれた「安土問答」をご存知でしょうか。これは、浄土宗と法華宗の間でかわされた激しい宗論です。その結果、浄土宗が勝利し、安土から甲賀、伊賀のあたりまで、浄土宗に転宗していったとの歴史があります。浄福寺も、その中の1か寺です。
安土浄厳院のお寺を開かれた応誉明感上人は、もともとは、栗東の金勝の阿弥陀寺におられたんです。しかし、織田信長公が鷹狩に来られてそこで一服されたと。そのときに織田信長公が応誉明感上人の人柄に惚れられ「安土に寺を建てるから、来なさい」と引っ張っていかれて、そしてできたのが安土浄厳院だときいています。
実は、応誉明感上人は、浄福寺の開山上人になっています。おそらく天台宗から浄土宗に変わられたときに、住職におさまられたんだろうと思いますね。
浄福寺の寺号・山号について
浄福寺の山号は「法教山」。由来ははっきりとはわかっていませんが、浄福寺の在所は「北脇(きたわき)」です。これは「ホウキョウ」とも読むことができるため、別の字を当てたとも考えられます。また「北脇山」と書かれている資料もあります。あくまで一説ですが、いろいろと想像してみるのも楽しいのではないでしょうか。
浄福寺には、院号はありません。院号はあるお寺と、ないお寺があります。また浄福寺の名前の由来についても、資料が残っていないため、残念ながら詳しいことはわかりません。
しかし、名前には各お寺のルーツが関係しています。ほかのお寺についても調べてみると、なかなか面白いかもしれません。
「フードバンクびわ湖」
浄福寺の住職は「フードバンクびわ湖」の共同代表を務めています。フードバンクとは「食料銀行」を意味する言葉。まだ食べられるにもかかわらず処分されてしまう食品を、食べものに困っている施設や人に届ける活動です。
浄福寺にもフードボックスを設置しています。詳しい内容につきましては、
フードバンクびわ湖のFacebookページをご確認ください。
No. | 23番 |
本霊場 | 清浄華院 |
寺院名 | 浄福寺 |
所在地 | 水口町北脇557番地 |
連絡先電話番号 | 0748-62-1932 |
FAX | |