甲賀組第一部法然上人二十五霊場

浄品寺住職が考える「阿弥陀さまとは何か?」
浄品寺レポート

今回、訪れたのは、甲賀市水口町泉にある「浄品寺」です。浄品寺の歴史や、「阿弥陀さまとは何か?」という本質的な内容について、お話をお伺いしました。

浄品寺の歴史、山号・院号について





現在は会館が建っていますが、以前の庫裏(くり)には、上段の間がありました。上段の間とは、周囲を廊下で囲まれている、一段高い場所。横田川(現在の野洲川)には泉の渡し(一里山の渡し)がありましたが、大水で川止めがあると、足止めされてしまいます。そういったときに、公家さんが泊まる場所として使われていました。建て替えに伴い、現在は、上段の間を示す名残はありません。

浄品寺の見所をひとつあげるとすれば、本堂の欄間でしょうか。田舎のお寺ではあまり見かけない、珍しいものだと思いますね。

浄品寺の山号は「蓮台山」です。お釈迦さま、阿弥陀さまが座られている台座を蓮台といいます。院号は「往生院」。由来は、はっきりとはわかりませんが、単純に考えると極楽に往生できるお寺という意味だと思います。





阿弥陀さまとは?





僕が一番知っておいてほしいのは「阿弥陀さまって一体何だろう」ということです。日本には数多くの仏教系の教えがありますが、共通しているのは「みんなが幸せになること」でしょう。

お経は、ありがたいものだと思われていますが、内容まで考えたことがある方は少ないのではないでしょうか。浄土宗のお経「浄土三部経」には、無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経があります。そのうちのひとつ、阿弥陀経には「36億光年西の彼方から、亡くなったら即座に御来光で阿弥陀さまが迎えにいらっしゃる」といったことが書かれています。

わかりやすく直していますから、このままの文章ではありませんが、おそらく「え?」って思う人の方が多いでしょう。今、これを信じなさいというのは、無理があります。

そもそも阿弥陀経は、お釈迦様が弟子の舎利弗に説いているものです。『舍利弗。於汝意云何。彼仏何故。号阿弥陀。』は、「舎利弗よ、なぜ阿弥陀と言うのか知っていますか?」という意味です。

さらに先に進み、意訳すると「仏のお光は無量で全ての国を全ての障害から守って照らすことができるんですよ」「これは愛情です。全ての災から子供を守ってやろうと思うのは親しかいないんですよ」「人間は無量の命を持つことができません。ずっと末代から引き継いで来られて今の自分がいるんですよ」と続きます。






つまり36億光年西の彼方とは、地球誕生から今の自分に至るまでのことです。ずっと命がつながっているから、親の愛情・ご先祖様の愛情があるからこそ今の自分がいる。だから阿弥陀というんですよと。「阿弥陀さま=自分の命」。僕は、阿弥陀信仰とは、投げやりにならず、自分にできることを一生懸命頑張って生きていくことだと思います。

No.2番
本霊場法然寺
寺院名浄品寺
所在地水口町泉488
連絡先電話番号0748-62-2854
FAX